ニコン860億赤字、Zシステム70万円ユーザーの本音

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Yahoo!ニュースで最初に見たとき、正直「またか」と思いました。

ニコンの経営がヤバい、という話はずっと以前から耳にしていました。

もう慣れてしまっていた部分すらありますね。笑

だから最初は流しかけたんですが、記事をスクロールしていくと、「過去最大860億円の赤字」という文字が目に飛び込んできました。

さすがに止まりました。

Zシステムに70万円以上を投じている身としては、「流石にカメラ事業も縮小されるか?」という恐怖感が一瞬で走りました。
僕は副業でクライアントの仕事も受けています。
なのでニコン機材が使えなくなることは、趣味の問題だけでは済みません。

ヒヤッとしたのは本当の話です。
でも落ち着いて調べてみると、860億円の正体はカメラとはかなり別の話でした。
それでも安心しきれない部分は残ります…。

だから今回は、自分なりに「今後なにが起こるとニコンから離れるか」という条件を整理することにしました。

この記事がおすすめな人
  • ニコンの赤字ニュースが気になって、カメラへの影響を知りたい人
  • Zマウントに投資済みで、今後のサポートや将来性が不安な人
  • 乗り換えを検討しているが、動くタイミングの判断軸が欲しい人
  • 副業やクライアント案件でニコン機材を使っている人

ニコン860億円赤字、何が起きたのか

2026年5月8日、ニコンが2026年3月期の決算を発表しました。
純損失は860億円。(!?)

5年ぶりの最終赤字で、かつ過去最大の規模だといいます。

調べてみると、赤字の全体像はこんな感じになります。

セグメント売上収益営業利益
映像(カメラ)2,900億円(前年比▲1.8%)167億円(前年比▲59.5%)
精機(半導体露光装置)2,019億円(前年比▲17.2%)▲45億円
連結合計6,771億円(前年比▲5.3%)▲860億円
※860億円の純損失は、精機事業の赤字に加えて、SLM Solutions関連の特別損失906億円が上乗せされた結果です。

数字を並べてみると、カメラ事業(映像セグメント)は黒字だということが見えてきます。
では赤字の本体はどこにあるのか?
大きくは以下の2つです。

  • 金属3Dプリンター事業
  • 精機事業(半導体露光装置)

小難しい話なので、「ふーん」くらいで流していただいてOKです!

ひとつは、SLM Solutions——ニコンが2022年に買収したドイツの金属3Dプリンター企業です。
買収総額は約840億円。
航空宇宙・自動車向けの金属3Dプリンターを第3の収益柱にしようという目論見でしたが、製造業のデジタル移行の遅れや中国メーカーとの競争激化で事業が期待を大きく下回り、2026年3月期に906億円の減損損失を計上したようです。
840億円で買ったものが900億円超の損失になったというわけで、これはなかなか衝撃的な逆転構造でした。

もうひとつは精機事業(半導体露光装置)です。
主要顧客であるインテルの設備投資が抑制され、売上が前年比17.2%減、営業損失45億円という状況になっています。

妻がちょうど「ニコン大丈夫?」と心配していました。
ヘッドラインでニコン860億赤字と出てしまうと、中身がどうあれ誰でも不安になりますよね!

何はともあれ「カメラ事業が縮小されたらどうする?」なんて、カメラに興味がない妻と話をしたのは、なんとも奇妙な体験でしたけれど…。笑

それでもカメラ事業を心配しすぎなくていい理由

カメラ・レンズ・ニコン・Z8・ミラーレス

表を見るとわかる通り、映像事業(カメラ)は黒字でした。
167億円の営業利益です。

ただこの数字、前年比59.5%減という見え方をするので、一瞬ぎょっとします。
でも調べてわかったのは、この減益は関税影響や一時費用を含んだ数字だということです。

カメラ事業そのものの構造が悪化しているわけではない、という点は一応確認しておきたいところです。

過去の推移を見ると、こんな感じで推移しています。

  • 2022/3期: 売上1,782億円 / 営業利益191億円
  • 2023/3期: 売上2,271億円(+27.4%) / 営業利益422億円
  • 2024/3期: 売上2,797億円(+23.2%) / 営業利益465億円
  • 2025/3期: 売上2,953億円(+5.6%) / 営業利益413億円
  • 2026/3期: 売上2,900億円(▲1.8%) / 営業利益167億円(一時費用含む)

2022年から2025年にかけて、売上はほぼ倍増しているのがわかります。
利益率も10〜16%台で推移してきました。

「3年でこれだけ成長した事業を、会社が手放す合理的な理由は今のところない」と思います。

さらにニコンは2026年5月、新たな中期経営計画を発表しています。
2030年度末を最終年とする5年間の計画で、成長投資総額は3,500億円にもなります。
映像事業の営業利益目標を370億円とし、2027年3月期には100億円の純利益黒字化を見込んでいます。

とはいえアナリストは楽観的と見ている部分もある、という留保もつけておきたいです。
「2030年度1兆円売上目標はやや楽観的」という見解もあるようで、計画通りに進む保証はありません。

また、世界シェアの話もあります。
2023年のデジタルカメラ世界シェアは、

  • キヤノン:46.5%
  • ソニー:27.9%
  • ニコン:11.3%

ニコンは3位ではありますが、11.3%というのは年間約80万台規模の実数になります。
これって市場から消えるような規模感ではないですよね。

ここまでをまとめると

今回の860億円赤字の正体は、カメラではなく金属3Dプリンターと半導体露光装置の問題でした。
カメラ事業単体は黒字で、過去3年の成長トレンドも維持しています。

この事実を確認しつつ、今後のニコンについて考えてみましょう。

それでも僕がヒヤッとした瞬間

カメラ・ニコン・Nikon Zf・レンズ・NIKKOR Z 26mm f/2.8

カメラで副業をしている身として感じた、リアルな損得勘定

カメラ事業が黒字だとわかっても、僕がヒヤッとした感覚は消えませんでした。
それには理由があります。

おそらく趣味で使っているだけなら、そこまで深刻に考えなかったでしょう。

僕は物撮りやカフェ撮影の委託を、副業として受けています。
クライアントのいる案件なので、趣味の不満とはまた話が違ってきます。

「もし事業縮小が本当に起きたら」という仮定の話ではありますが、無意識に頭の中でシミュレーションしてました。

  • 修理に出したレンズが、事業縮小の影響で戻ってこないかも。
  • 継続販売が止まって廃盤になり、パーツが早々に枯渇するリスクかも。
  • ニコンへの市場の危機感が高まり、製品の買取価格が一気に下落するかも。

もちろん、現時点では何も問題は起きていません。
この3点はあくまで「もしも」の話です。

でも副業で機材を資産としても見ている身には、こういうリスク計算をしてしまうのは仕方ないと思っています。

70万円の投資判断が一瞬ゆらいだ

正直に言うと、一瞬頭をよぎりました。

「安定のキヤノンや、市場リーダーのソニーを選んでいれば、こんな無駄な心配はしなかったかな」という後悔のようなものです。

カメラって高い買い物だし、レンズまで含めてシステムを組んでしまったら、おいそれとメーカーを変えられません。

ボディを替えるだけならまだしも、Zマウントのレンズ一式をまるごと売って、別マウントに乗り換えるというのは、金銭的にも精神的にも相当なハードルです。

それでも、その揺らぎは一瞬でした。
「調べてみよう」と思えた時点で、感情的にはならなかったですね。

Zシステムへの満足感と、ニコンへの提案

ニコン・レンズ・24-120mm・50mm f/1.2・70-200mm

ニコンを選んだ理由は「この描写だ!」という直感

元々はキヤノンから入って、少しソニーも使いました。
写真に興味が出てきてから、ネットで「この写真いいな」と思える作品を探していた時期があります。

「いい写真だ」と思ったものをどんなカメラで撮ったか調べると、そのほとんどがニコンでした。

それからニコンのHPで作例を見ていくうちに、「この描写だ!」 という確信が生まれました。
うまく言語化できないけれど、僕の心に響く描写がそこにあったのです。

その感覚を信じてZfを購入し、フルサイズデビューも果たしました。
感情で選んだ買い物でしたが、後悔はしていません!

使い込んでわかったZレンズの実力

Zシステムで特に満足しているのは、レンズの光学性能の高さです。
例えば、僕がもっとも気に入っている「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」を例にお話ししましょう。

NIKKOR Z 50mm f/1.2 S は2020年発売のレンズで、Zマウントの初期ラインアップのひとつです。

これ、古いレンズなのに解像感が物凄いのです!
つまり、「Zレンズは初期ですでに完成していた」とすら感じています。

また、頑丈さも特筆すべきポイントです。
24-120mmが自然故障したことが一度ありましたが、それ以外は雨の中、雪の中、砂嵐の現場でもずっと使い続けてきました。

クライアント案件でこの頑丈さは本当に頼りになります。
ネイチャーフォトグラファーがニコンを選ぶ理由を、実際に使って体感しましたね。

Zfと50mm f/1.2 Sは、大きく重いですが本当に“よく写るレンズ”です。
興味があれば、ニコン公式の作例か、それぞれの商品ページから出ているサンプルを見てみてください。

∟【Amazon】NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

∟【楽天市場】NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

∟【Yahoo!ショッピング】NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

ニコンへの提案①「Zクラシックレンズ」カテゴリーの創設

カメラ・ニコン・フイルム・フィルム・FM2・クラシック・ビンテージ

僕はニコンにおいて、「写るレンズはすでに完成している」というのが正直な感想です。
だからこそ次は、エモさを持った…どこか色気のあるレンズだと思っています。

インスタなどを眺めていると、ゴーストやフレアが盛大に出るオールドレンズの写真が今も大量に投稿されています。

「エモい」は一過性のブームではなく、新しいジャンルとして定着しつつある気がしています。

グローバルのフィルムカメラ市場が2025年に6.3億ドル規模に成長していることを見ると、「エモい」への需要は本物だと思えてしかたないのです。

そこでなのですが、

  • Zレンズ
  • Zシネマレンズ
  • Zクラシカルレンズ

という3カテゴリーを作れたら面白くないですか?
③は収差をあえて残してAFも積まない、軽くて小さい「エモ全振り」のレンズ群です。

光学機メーカーとして歴史の深いニコンなら、ノウハウも活かせるのではないでしょうか。

ただし、ニコンの資金力的に、キヤノンやソニーと正面から張り合えるかはまた別の話だとも思います。
シェアで4〜5倍の差がある相手に、本流市場で戦うよりも、オールドレンズやエモい写真という新しい層を取りに行く戦略としては理にかなっています——あくまで一ユーザーとしての提案ですけれど。

まずは、安心の1本を手に入れてからクラシカルなレンズを…なんて良さそうに感じます。
新規層の獲得にも一役買ってくれそうですよね。

最初の1本としては、「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」をおすすめしたいですね。
ニコンで大人気のレンズで、僕も使ってるけどコレは外せません!

∟【Amazon】NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

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ニコンへの提案②「高画素ボディへの注力」

もうひとつ、ぶっちゃけ不満に思っていることがあります。

撮影中にAFが「合掌マーク」(フォーカス確認のグリーン表示)になっても、帰って現像ソフトで拡大してみると、瞳ではなく眉毛付近にピントが合っている——ということが、わりとあります。

明るいレンズほど被写界深度が浅くなるから、特に起きやすい問題でもありますね。

だから大事な撮影では、AFが合ったと思ってもそこからピントを拡大して確認し、場合によってはMFで追い込む、という手順を踏んでいます。

光学性能があれだけ高いレンズなんだから、ぶっちゃけボディ側のAF精度をもっと頑張ってほしいです。
(よくSNSでもニコンのAFはネタにされてますよね。笑)

今やアップデートでどんどんカメラを進化させられる時代になっています。
センサーやハードウェア面の大きな進化を伴うボディが、近いうちに出てきてくれれば…と願っています。

もしニコンが危機になったら——3つのシナリオ

ここからは僕の未来予想です。楽観・中立・悲観の3ケースで考えてみました。

ケース1(楽観): 新中計が実行され、カメラ事業が成長を続ける

2026年5月に発表された新中期経営計画が、計画通りに執行されるシナリオです。

2030年度の映像事業の営業利益370億円という目標に向けて、Zシリーズのボディとレンズが定期的にリリースされ続けます。
2027年3月期に100億円の純利益黒字化が実現すれば、市場の不安感も一気に解消されるはずです。

もちろんこのシナリオなら、迷わず使い続けます。

ただし、アナリストからは「2030年度1兆円という売上目標はやや楽観的」という声もあります。
計画が絵に描いた餅で終わらないことを、静かに見守っていきたいですね。

ケース2(中立): カメラ事業は継続するが規模が縮小する

新製品のリリースペースが落ち、レンズラインアップの拡充が遅れていく——というシナリオです。

修理やサポートは続きますが、選べる機材の幅が徐々に狭まっていきます。

この段階では、まだニコンを使い続けると思います!

でも機材を追加購入する場合は、ソニーも選択肢に入れ始めるかな?と思います。
そして機材の資産価値が目減りしていくことを意識しながら、売り時を考え始めるでしょう。

静かにフェードアウトしていく、という感じのシナリオです。

ケース3(悲観): カメラ事業の分離・売却が報じられる

これが僕にとっての乗り換えトリガーになります。

その前に、少し他社を例にしてみましょう。

  • オリンパス:2021年に映像事業をファンドへ譲渡し、OMデジタルソリューションズという形で今も続いています。
  • ペンタックス:HOYAからリコーへ売却された後、PENTAXブランドとして今でも新製品を出しています。

つまり、事業分離や売却がブランド消滅を意味するわけではありません。
それはわかっています。

でも、もしカメラ事業の分離・売却が報じられたとしたら、僕はその時点で動くと思います。

そして価値が目減りする前に全機材を売り、ソニーへ乗り換え流でしょう。
クラシックな操作感が恋しくなったら、追加で富士フイルムも買うかもしれません。笑

その他、乗り換えトリガーの候補として、中国企業への買収というケースも頭にはあります。
もちろん、中国にも素晴らしい企業はたくさんあります。
あくまでカメラ文化・Zレンズ開発の継続性に不確実性が増す、という意味での話です。

差別的に言いたいわけではなく、「誰がZレンズを作り続けるか」への懸念として受け取ってほしいです。

【まとめ】でも逆張りが好きだから、きっとニコンを使うと思う

ニコン・レンズ・NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

今回、赤字ニュースをきっかけに腰を据えて調べてみてよかったと思っています。

860億円の赤字はカメラ事業ではなく、金属3Dプリンターと半導体露光装置の話でした。
カメラ事業は黒字で、過去3年の成長トレンドも維持しています。

でも、これらが楽観視されてる可能性・ニコンの資金力には不安は残るのも事実です。
なので、完全に安心しきるのも違うかな?という温度感ですね。

だから乗り換えの条件だけを設計して、今日もニコンで撮ることにしました!

僕は、「この描写だ!」という直感を信じてニコンに来ました。
その感動は今も変わっていません。

もし同じように不安を感じているZユーザーがいたら、まず本質を調べてみることをおすすめしたいです。
なぜなら僕が「調べてよかった」と素直に感じているためです。

感情だけで判断するより、事実を確認してから感情で判断した方が、気持ちが落ち着きます。

もちろん、SONYにも憧れはあります。
でも逆張りが好きな性格なので、きっとニコンを使い続けていくのでしょう。笑

僕の今回の結論
  • 860億の赤字の正体はカメラではなく、金属3Dプリンターと半導体露光装置の問題。
  • カメラ事業は黒字で継続中。ただし新中計の楽観性は引き続き要注意。
  • 乗り換えトリガーは「カメラ事業の分離・売却報道」。それまではニコンを使う。

※他にもニコンの記事を書いているので、よろしければ見ていってください!